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おっちゃん物想う

おっちゃん物想う

再会じゃない


目が離せない。

その瞳は私を捕らえた。

微かに気だるく仄かに物憂げな

凛とした眼差し

ああ、私はそれを追い求めていた

他の物が見えない

しかし、それは本当に私が追い求めていた物か?

何かが違う

それは今目の前には居ない人

そうだ、違う

その唇は彼女ほどの艶が無い

貴女は思い出の人

目の前の人が霞んでいく

何故今頃に成って

もう、諦めた頃に成って

そして他の人と終わって仕舞ってから

ああ、又目が離せない

偶然ではないのか?

何故2度も似た人と会うのだ?

違う人だ

解ってる

ああ、違う人だ

あの貴女ももう違う人だ

私ももうこの肉になまめかしい匂いを着けて仕舞っていた

貴女とは違う匂い

だけど、それはもう独りの匂いへとぼやけて

貴女とは触れ合う事が出来ない

そう、この匂いに気付かれては

それは苦しみだ

耐えようの無い

貴女から他の色が見える事よりも

あの貴女は今目の前に居る他人の様な顔をするのだろうか?

私は似たような表情だろうか

イヤ、もっと苦痛を秘めた表情だろう

この心は汚れて仕舞った

貴女の居る風景はより美しくなり

私を寄せ付けない

ああ、この光景

何故今頃に

望んでいたのは再会じゃないと

本当に知った

そうさ、再会じゃあないんだ

貴女とはそれ以上

ああ、離さない瞳に触れる唇が近づくと

そこに居る事に耐えられなく成るだろう

何故、今頃に









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